個人開業と法人化 知っておきたいメリット・デメリット

個人医院から法人化しようかどうか、悩まれている方も多いかと思います。ここでは、それぞれのお金や手続きに関するメリットとデメリットをまとめています。
どのように事業を進められるのがよいか、お気軽に小林会計事務所までご相談ください。

 

個人開業の場合

個人開業の場合
個人開業のメリット
・社会保険の診療報酬が5000万円以下の場合には、法人化して役員報酬の給与所得控除を活用するよりも、個人事業として概算の経費率を使った方が、税務上は有利です。
 

個人開業のデメリット
・所得税と住民税をあわせた最高税率 50%
・社会保険診療報酬の源泉徴収
(その月分として支払われる金額 – 20万円) x 10%

社会保険診療報酬支払基金は引かれるが、国保連合会からは引かれない
 

法人化する場合

法人化する場合
医療法人のメリット

・法人税と住民税をあわせて税率は40%前後
・理事報酬が給与所得控除の対象となる
・親族理事に理事報酬で所得の分散ができる、理事の欠格事由に親族の要件はない
・生命保険の保険料を経費化できる
・役員の退職金が支給できる
・自動車を法人名義で購入し、経費化できる
・有床診療所を運営の隣接地に理事長宿舎を建設できる
・分院設立・譲渡ができ、利益確保がしやすい
・介護事業や有料老人ホームの運営などの事業に進出できる
    -分院経営も可能
・相続税対策として、持ち分を定めた社団医療法人は払戻可能(時価評価)
    –新たな医療法人設立は、持ち分の定めのない社団医療法人となる
    –解散時残余財産は国等のものになる
 

医療法人のデメリット

・剰余金の分配はできない
・社会保険の加入(歯科医師国民健康保険組合に加入の継続可)と厚生年金の加入が必要
・法人内に管理スタッフ必要
・親族に対する給与
    -親族に対する給与は原則として必要経費にならず一定の要件を満たした「青色専従者給与」として届出・承認を受けたものに限定される
・定期的に社員総会を開催し、その議事録を作成する必要がある
・2年ごとの役員改選登記が必要
    -任期満了後の伸長はない、違反すると過料20万円以下が科される
・都道府県による指導監督の強化が必要
    -決算書の知事への届け出が必要
・毎期保健所への提出書類
・年2回社員総会開催
    -総会議事録の作成
・毎期 純資産の登記手続き
・小規模企業共済の脱退となるため、個人の所得の節税が図れなくなる
    -個人事業廃止と同時に解約
・交際費となる金額に上限が設けられ交際費の10%が経費とならなくなる

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